花粉症の季節がやってきます。
悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
今や春のみならず年中花粉症の症状に悩まされている人も珍しくありません。
薬を飲み続けていても完治はしないと悩んでいる人もいることでしょう。
そう、西洋医学の薬での治療はあくまでも対処療法なので、薬を飲み続けても完治はしないのです。
では、完治する方法はあるのか?
あると言われています。
体質改善という考え方です。
ここでは花粉症の現状と体質の改善という考え方を用いた完治を目指す方法を紹介します。
本記事の内容
花粉症の症状は体質改善で治まる?
ではまず、花粉症の原因について説明していきますね。
スギなどの花粉が体内に入ると、体の中に人の鼻や目の粘膜に存在するようになるIgE抗体というものが出来ます。
このような状態の人が再び花粉を体内に入れることで、花粉がこのIgE抗体と結合して花粉症の症状が発生するのです。
IgE抗体というのは人の鼻や粘膜に存在するようになるので、かゆみ、くしゃみや鼻詰まり、充血などの症状が発生するというわけです。
というのが、一般的に花粉症の原因とされています。
しかし、最近ではそうではないのではないかという仮説も現れています。
その理由は、
- 花粉症になる人とならない人がいる
- お年寄りは花粉症になりにくい
- 田舎では花粉症になりにくい
といった事実があるからです。
これには
- 昔はスギ花粉も今ほど飛んでいなくて、お年寄りは長年にわたって花粉を取り込んでいないから
- 田舎では舗装されていないところに花粉が落ちることで、それ以上の飛散がないため
という説で説明がなされていましたが、最近原因としてあがっているのが、
「生活様式や食生活の変化による体質の弱体化」
です。
つまり
- 運動不足と食べ過ぎ
- パン、肉、油脂類の急激な増加
- 食物繊維の減少
- 農薬や添加物などの化学物質の増加
が理由だといいます。
そう、30年ほど前から花粉症が騒がれてきたのと、これらの4つが言われだしたのがちょうど合致しますよね。
おすすめの漢方薬
花粉症に効く漢方薬
花粉症に漢方薬というのはよく聞きます。
中には、
「漢方薬のみを処方して下さい」
という患者さんもいるとか。
たしかに漢方薬は体質改善効果もあるので希望する人も多いのでしょう。
そして、花粉症の症状を改善させる漢方薬も確かに存在します。
ここではそんな漢方薬を紹介します。
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
花粉症治療では有名な漢方薬です。
鼻や目の充血を治し、余分な水分を排泄する作用などがあります。
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
小青竜湯が比較的元気な人に処方する漢方薬であるのに対して、この麻黄附子細辛湯は冷え性があり、すぐ疲れるといった人に使用されることが多い漢方薬です。
炎症を抑え、新陳代謝を促進させる作用があります。
鼻水がピタリと止まることでも人気があります。
苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)
胃腸が弱い人に効果がある漢方薬です。
若干即効性は劣りますが、胃腸が弱い人でも安心して服用できます。
辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
とにかく鼻詰まりに困ったときに使用します。
ステロイドの点鼻薬などで副作用が出てしまった場合でも、この辛夷清肺湯で充分代用することができるのです。
体質改善に効果のある漢方薬
花粉症を完治させる治療法として体質の改善という考え方を先に紹介していましたが、体質改善効果のある漢方薬を服用することで花粉症とおさらば出来るかもしれません。
ただ、これらは体質改善の薬であって花粉症の薬ではないので、花粉症の症状がなくても飲み続ける必要があります。
また、上で紹介した花粉症に効果のある漢方薬と一緒に服用しても構いません。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 痩せタイプ
- 顔色が白い
- やや貧血気味
- 手足が冷える
- 朝の起床時に顔や手指が何となく腫れっぽい
- 夕方足がむくむ
といったタイプの人に向いています。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
- やや痩せタイプ
- 顔色は多少くすんでいる
- 全体的に下腹が張った感じ
- のぼせやすい
- 口が乾く
といった人に向いています。
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
- やや肥満タイプ
- 微熱や関節痛などが出やすい
- 風邪をひきやすい
- 不安、不眠、動悸などの神経症状がある
といった症状の人に良いとされています。
防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)
- 肥満タイプ
- 口が渇きやすい
- 汗かき
- 肩こり
- 頭痛
- のぼせ
なお、体質改善のために漢方薬を飲み続ける期間は花粉症で苦しんだ期間の半分が良いとされています。
つまり、花粉症になって4年になるという人は、2年間飲み続けると体質が改善されて様々なアレルギー症状に悩まされることもなくなるというわけです。
なお、紹介した漢方を試してみたい方はこちらの楽天のサイトからどうぞ。
★小青竜湯
★麻黄附子細辛湯
★苓甘姜味辛夏仁湯
★辛夷清肺湯
食事での体質改善
つまりは、昔ながらの食事をすれば、体質は改善されるということなんです。
しかしながら、現代ではかなり難しいことだと言えます。
普段の生活で出来ることを意識して実行するようにしましょう。
季節にあった野菜などで食物繊維をとる
便秘に悩んでいる人は特に多く摂ります。
生野菜は思ったほど量が食べられないので、煮たり茹でたりして食べると良いでしょう。
旬のものを食べる
本来とれる時期の野菜や果物を摂る。
日本にあるはずのない熱帯の果物などはなるべく摂らない。
白糖の入った食品は食べない
白砂糖の入ったクッキーや洋菓子などの食べ物や清涼飲料水などは摂らない
砂糖や塩は未精製のものを摂る
甘みは三温糖、はちみつ、黒砂糖で、塩はにがり入りのものを使用する。
インスタント食品は摂らない
食品添加物の宝庫ともいえるインスタント食品は出来るだけ摂らないようにする
最初にも言いましたが、これらは現代では全て実行することはかなり難しいです。
神経質にならない程度に行うようにしてくださいね。
花粉症の薬
体質改善の話をしていますが、改善している時間なんてないという人もいるでしょう
ここでは花粉症で医者にかかった場合に処方される薬の話をします。
抗ヒスタミン剤など
花粉症の治療に行くと薬を処方されることと思います。
「アレグラ」や「アレジオン」などに代表される抗ヒスタミン剤などがそうですよね。
これらは第二世代の抗ヒスタミン剤で、眠気や口の渇きといった副作用が少なくなっています。
しかし1つ注意したいのが、これらの薬は花粉症を治療しているのではなくて、あくまでも症状を抑えているだけだということ。
なので、症状が治まってきたからといって勝手に服用を辞めてはいけないのです。
そう、花粉症のシーズンが終わるまでは飲み続けなければなりません。
市販薬については本サイトでも紹介しています。興味のある方はご覧になって下さいね。
ステロイド注射
また、花粉症のシーズン前に注射を打つといったことを聞いたことがあるかもしれません。
これは、ステロイド剤を体内に注入するもの。
花粉症の症状はピタッと止まり、1ヶ月から長い時には2ヶ月もの間効果が持続するので、この注射を希望する人は多いといいます。
しかしながら、効果が高いものには危険がつきもの。
ステロイドには依存性があって、この注射をしないと
強い疲労感
イライラ感が起こる
といった中毒症状が出ることがあります。
また、ステロイドによって
- 糖尿病悪化
- 顔のむくみ
- 皮膚炎
- 月経異常
- 消化性潰瘍
などの様々な副作用に苦しむことがあるので注意が必要です。
なお、本サイトでも花粉書予防注射についての記事がありますので、興味のある方はご覧になって下さいね。
目薬や点鼻薬などの局所ステロイド
これもよく使うものですよね。
薬局でも売っているもので積極的に使用している人も多いはず。
実際ステロイドといっても局所なので、副作用は少なく効果は高いということで、治療の中心的な薬となっています。
しかし、とはいってもステロイドなのでやはり副作用が全くないということはありません。
用法をしっかり守って使用することが肝心です。
まとめ
というわけで花粉症を体質改善によって治す方法を紹介しました。
間違いのないようにしたいのですが、これらは西洋医学の対処療法を否定するものではありません。
対処療法は対処療法で必要な治療ですし、症状を抑えるということも大事なことだからです。
- 普段の食生活を見直したい。
- 漢方に興味がある
といった人で花粉症に悩んでいる人はぜひ取り組んで欲しいと思います。
(参考文献:「花粉症を体質から治す」西田元彦著)