車を持つ新しい選択肢としてカーリースが急速に普及し、私たちの生活に浸透してきました。
頭金なしで新車に乗れる手軽さや、月々の支払いが定額になる安心感は、家計を預かる身としても非常に魅力的ですよね。
しかし、実際にカーリースを契約しようとしたとき、あるいは契約した後に、ふと疑問に思うことがあります。
「あれ?この車のNHK受信料ってどうなってるんだろう?」と。
自宅のテレビなら当たり前に支払っている受信料ですが、カーリースという「借りている車」の場合、その支払いはリース料金に含まれているのか、それとも別途契約して支払い義務が発生するのか、意外と知られていないのが実情です。
特に最近の車は高性能なカーナビが標準装備されていることが多く、そのカーナビにテレビ機能(ワンセグ・フルセグ)が付いている場合、法的にどのような扱いになるのか気になりますよね。
もし払わなくていいものなら払いたくないし、逆に払わなければいけないものを知らずに未払いのままにしていて、後から高額な請求が来るなんてことになったら目も当てられません。
また、個人で利用する場合と、会社として法人契約する場合とでは、NHKの契約ルールが大きく異なるという点も、見落としがちなポイントです。
この記事では、カーリースを利用する際のNHK受信料に関する疑問を徹底的に解消し、法的なリスクを回避しながら、賢くコストを抑えるための情報を網羅的にまとめました。
「知らなかった」では済まされないお金の話、ぜひ最後までお付き合いください。
- カーリース車両のNHK受信料を誰が負担すべきかが明確になる
- カーナビのテレビ機能による契約義務の有無を正しく理解できる
- 個人契約と法人契約それぞれのルールと注意点がわかる
- 受信料コストを抑えるための具体的な対策と手続きを知ることができる
本記事の内容
カーリース契約車のNHK受信料支払い義務
カーリースを利用する際、車検証を見ると「所有者」の欄にはリース会社の名前が記載されています。
それを見ると、「車の持ち主はリース会社なんだから、NHKの受信料も持ち主であるリース会社が払ってくれるんじゃないの?」と考えてしまうのも無理はありません。
しかし、法律の世界では「所有していること」と「使用していること」は明確に区別されており、NHK受信料の支払い義務についても、少し複雑なルールが存在します。
ここでは、放送法に基づく基本的な考え方や、なぜカーナビが契約対象になるのか、その理由について詳しく解説していきます。

支払い義務はリース会社でなく使用者にある
結論から申し上げますと、カーリース車両のNHK受信料を支払う義務があるのは、車の所有者であるリース会社ではなく、実際にその車を使用している契約者(ユーザー)自身になります。
「えっ、借りてるだけなのに?」と思われるかもしれませんが、これには放送法第64条という法律が大きく関係しています。
放送法では、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」と規定されています。
この条文にある「設置した者」という言葉が非常に重要なんです。
法律上の解釈では、「設置」とは単に物理的に置くことだけでなく、「受信機を管理・支配し、放送を受信できる状態に置いていること」を指すとされています。
カーリースの場合、車検証上の所有権は確かにリース会社にありますが、その車をいつ使い、どこへ行き、車内でテレビを見るかどうかを決める権限(管理・支配権)を持っているのは、他ならぬユーザーである私たちですよね。
リース会社が勝手に車に乗り込んでテレビを見ることはありません。
つまり、実質的にその受信設備(カーナビなど)を管理し、便益を享受しているのはユーザーであるため、支払い義務もユーザーにあると判断されるのです。
また、カーリースの月額料金の内訳を見てみると、車両本体価格、自動車税、重量税、自賠責保険料などは含まれていますが、NHK受信料という項目はどこにも見当たらないはずです。
これは、ガソリン代や駐車場代、任意保険料(一部プランを除く)と同様に、「車を使用することに伴って発生する費用」として扱われるためです。
したがって、「リース料を払っているからNHKも込みだろう」と勝手に解釈してしまうのは非常に危険です。
別途、ご自身でNHKと契約を結び、支払いを行う必要があるということを、まずは大前提として理解しておきましょう。

ポイント
カーリースの月額料金には、車両本体価格や税金、自賠責保険料などが含まれますが、NHK受信料は含まれていません。
リース会社が代行して支払ってくれるわけではないため、別途、NHKとの契約が必要になることを覚えておきましょう。
カーナビのテレビ機能も受信契約の対象
「車でテレビを見るつもりなんて全くないよ。カーナビは道案内さえしてくれればいいんだから」
そう思っている方も多いでしょうし、私自身も車でテレビを見ることはほとんどありません。
しかし、NHKの受信契約において、「実際にテレビを見ているかどうか」は、実はあまり重要ではないのです。
放送法が定めている要件は、「受信することのできる受信設備を設置したかどうか」という点にあります。
つまり、スイッチを入れればNHKが映る状態、すなわちテレビを受信する機能(チューナー)が付いているカーナビを車に取り付けている時点で、契約の義務が発生してしまうのです。
最近のカーナビは、走行中に画面を注視するのを防ぐため、車が動いている間は映像が映らず音声のみになる機能制限がかかっているものがほとんどですよね。
「走行中は見られないんだから、受信設備とは言えないんじゃないか?」という反論もありそうですが、これも残念ながら通りません。
信号待ちやパーキングエリアで停車し、サイドブレーキを引けば映る状態であれば、それは「受信できる状態」とみなされます。
また、「アンテナを伸ばしていない」「B-CASカードを抜いている」といった主張も、簡単に復元できる状態であれば「設置」に含まれると解釈されるのが一般的です。

ワンセグとフルセグの違いは関係ある?
「うちはフルセグじゃなくて、画質の悪いワンセグだから対象外では?」という疑問もよく耳にします。
しかし、過去の司法判断(2019年の最高裁判決など)において、ワンセグ機能付きの携帯電話を所持しているだけでもNHKとの契約義務があるという判決が確定しています。
この判例はカーナビにも同様に適用されると考えられており、フルセグだろうがワンセグだろうが、NHKの放送電波を受信して映像・音声を復調できる機能があれば、等しく契約対象となります。
たとえ「画面が小さい」「画質が悪い」「あくまでナビのオマケ機能だ」と主張しても、法律上の受信設備の定義からは逃れられないのが現状です。
この点を甘く見ていると、後で指摘されたときに反論できなくなってしまいますので、カーナビ選びは慎重に行う必要があります。
個人なら自宅の契約に含まれる場合がある
ここまで読んで、「えっ、じゃあ車を持つたびに追加でNHKにお金を払わなきゃいけないの?それはキツイよ…」と不安になった方もいるかもしれません。
でも、安心してください。
あなたが「個人」としてカーリースを利用し、マイカーとして使っている場合、多くのケースで追加負担は発生しません。
NHKの受信契約には「世帯同居の原則」という非常に重要なルールがあるからです。
これはどういうことかと言うと、NHKの契約は「受信機の台数」ごとではなく、「住居(世帯)」単位で結ばれるというものです。
もしあなたが自宅のリビングにテレビを置いていて、すでにNHKと受信契約(地上契約や衛星契約)を結び、受信料を支払っているとしましょう。
その場合、その契約の効力は、あなた自身や、あなたと生計を同一にする家族が所有・使用するカーリース車両にも及びます。
つまり、「自宅で1件契約していれば、マイカーに何台テレビが付いていようが、追加料金は一切かからない」のです。
スマホのワンセグも同様の扱いです。
この場合、NHKに対して「車をリースしました」と届け出る必要もありません。
もし何かの拍子にNHKから問い合わせが来ても、「自宅で契約しています」と伝えればそれで解決です。

注意!「テレビを持たない世帯」の落とし穴
ただし、最近増えている「自宅にテレビを置かないスタイル」の方は要注意です。
「家ではYouTubeやNetflixしか見ないから、テレビは捨てた。だからNHKも解約した」という場合。
自宅に受信設備がなければNHK契約は不要ですが、その状態で「テレビ機能付きカーナビ」を搭載した車をリースしてしまうと、その車が世帯における唯一の「受信設備」となります。
結果として、車のために新規でNHKと契約しなければならなくなるのです。
この場合、カーナビは通常BS放送(衛星放送)は受信できず、地上波のみの受信となるため、「衛星契約」ではなく、少し安い「地上契約」を結ぶことになります。
「家にはテレビがないからNHKは関係ない」と思い込んでいても、駐車場にある車が原因で契約義務が発生する、という盲点には十分気をつけてください。
この場合、カーナビは通常地上波のみ受信するため「地上契約」が必要になります。
単身赴任や学生の場合
実家を離れて暮らす学生や単身赴任者がカーリース車を使用する場合、原則としては住居が異なるため別の契約が必要です。
しかし、実家と生計が同一(仕送りをしている、週末は帰省するなど)であることが証明できれば、「家族割引」が適用され、2軒目(カーリースを使用する別宅)の受信料が半額になる制度があります。
カーナビのみの契約でもこの割引は適用可能ですので、これを利用すれば経済的な負担を大幅に減らすことができます。
未払いや無視は割増金のリスクがある
「どうせ車の中なんて見られないし、バレなければ払わなくても大丈夫だろう」
そんなふうに軽く考えて、未契約のまま放置するのは、今の時代、非常にリスキーな選択と言わざるを得ません。
以前であれば、未払いが発覚しても過去の分を遡って請求されるだけでしたが、法改正によって状況は一変しました。
2023年4月に施行された改正放送法により、正当な理由なく期限内に受信契約の申し込みをしなかった場合、NHKは本来支払うべき受信料に加え、その2倍に相当する「割増金」を請求できるようになったのです。
これはどういうことか計算してみましょう。
本来支払うべき受信料が「1」だとすると、その2倍の「2」がペナルティとして加算されるため、合計で「3倍」の金額を一括で支払わなければならなくなる可能性があります。
例えば、月額1,000円程度の受信料だったとしても、3年(36ヶ月)放置していれば本来は36,000円。
これに割増金が加わると、10万円を超える請求がいきなり来るかもしれないのです。
カーリース契約は通常3年、5年、7年といった長期契約が基本です。
その全期間に対して割増金が適用されるリスクを考えると、無視し続けることの代償はあまりにも大きいと言えます。

特に法人の場合、コンプライアンス(法令順守)の観点からも、未払いリスクを放置することは経営上の大きな時限爆弾になりかねません。
実際に、愛知県警などの公的機関でさえ、捜査用車両の受信料未払いが内部調査で発覚し、数百万単位の支払いを求められた事例がニュースになりました。
「警察ですら払っていなかったのか」という見方もできますが、裏を返せば「公的機関ですら逃れられないほど、管理が厳格化されている」とも言えます。
企業の社会的信用を守るためにも、「バレないだろう」という考えは捨て、適切に対応することが重要です。
注意
NHKは巡回員による現地調査だけでなく、求人票の「社用車貸与」の記載や、企業のWebサイトに掲載された車両写真、あるいは内部通報など、様々なルートから車両の保有状況を把握することがあります。
見えないところで見られているという意識を持つことが大切です。
レンタカーと異なり自己負担が必要
カーリースに関する誤解で最も多いのが、レンタカーやカーシェアリングとの混同です。
「レンタカーを借りた時にNHKの受信料なんて払ったことないよ? カーリースだって同じ『借り物』なんだから、払わなくていいんじゃないの?」
この疑問はもっともですが、両者には法的な「管理責任」の所在に決定的な違いがあります。
レンタカーやカーシェアリングは、数時間から数日という「一時的な使用」を目的としたサービスです。
この場合、車の保管場所を確保し、整備を行い、日常的に管理しているのは事業者(レンタカー会社)側になります。
そのため、車に設置されたカーナビのNHK受信料も、事業者が「事業所の経費」としてまとめて支払っているのです。
利用料金の中に、間接的に受信料が含まれているとも言えますね。

一方、カーリースは、数年単位という長期間にわたって特定のユーザーが車を専有し、自宅の駐車場で管理する契約です。
「所有権移転外ファイナンスリース」などと呼ばれるように、実態としては「購入」に限りなく近く、単に支払いを月額払いにしている金融サービスのような側面が強いのです。
そのため、車の使用者であるユーザーに、車両の維持管理に関する全責任があるとみなされます。
これに伴い、放送法上の「設置者」としての地位もユーザーに移転するため、受信契約の義務もユーザーが負うことになるのです。
「借りている車だから」という感覚でいると、この決定的な違いを見落としてしまい、思わぬ未払いトラブルに繋がる可能性があります。
カーリース車は、あくまで「自分の車」と同じように責任を持って管理する必要があるものだと認識しておきましょう。
カーリースのNHK受信料を安くする方法
ここまで、カーリースにもNHK受信料の支払い義務があること、特にカーナビのテレビ機能がその対象になることを解説してきました。
「義務なのはわかったけど、毎月のリース代に加えてNHK代まで払うのは正直痛いなぁ…」
それが本音ですよね。
NHK受信料は毎月の固定費として積み重なると、決して小さくない金額になります。
特に法人の場合は、保有する車の台数分だけ負担が増えるため、何も対策をしないと年間で数十万、数百万のコスト増になってしまうことも。
でも、諦めるのはまだ早いです。
賢く制度を利用したり、機器選びを工夫したりすることで、このコストを大幅に削減、あるいはゼロにすることも可能です。
ここでは、受信料を安くするための具体的なテクニックと、経理上の注意点についてご紹介します。

法人は車両ごとの契約が必須となる
まず、法人契約の場合の厳しい現実をお伝えしなければなりません。
個人契約では「世帯同居の原則」によって、自宅に契約があれば車の分はタダになりましたが、法人契約の場合、この「世帯」という概念が存在しません。
法人の場合、原則として「受信機を設置した部屋ごと、または自動車ごと」に個別の契約が必要になります。
これを「1台1契約」の原則と言います。
例えば、あなたの会社で営業車として10台のカーリース車両を導入し、その全車に親切心でテレビ機能付きのカーナビを付けたとしましょう。
この場合、会社の応接室にあるテレビで1件契約していたとしても、それとは別に、営業車10台分の受信契約(合計11契約)を結ばなければならないのです。
「本社で1件払ってるから、社員が見る社用車もカバーしてよ」という理屈は、残念ながら法人契約には通用しません。
これが、法人契約においてNHK受信料が大きなコスト要因となる理由です。
社用車の台数が多ければ多いほど、この負担は雪だるま式に増えていきます。
だからこそ、法人の場合は特に、事前の計画的な対策が不可欠になるのです。

事業所割引でランニングコストを抑える
「全車分の契約が必要なんて、そんな予算どこにもないよ!」と頭を抱えている法人担当者の方、安心してください。
NHKには、多数の受信機を設置する事業所向けに「事業所割引(多数一括割引)」という救済措置的な制度が用意されています。
これを活用するかしないかで、ランニングコストは天と地ほどの差が出ます。
この制度は、同一敷地内や同一組織で2契約以上ある場合に適用されるもので、条件を満たせば非常に大きな割引を受けられます。
具体的には、1契約目は正規料金を支払う必要がありますが、2契約目以降の受信料が半額(50%割引)になるのです。
例えば、社用車20台すべてにカーナビが付いていると仮定して試算してみましょう。
割引を使わずに全額払うと、年間で約28万円かかります。
しかし、事業所割引を適用すれば、2台目以降の19台分が半額になるため、総額で約15万円程度まで圧縮できます。
その差額は年間で約13万円。
5年リースの期間総額で見れば、65万円以上ものコスト削減効果が生まれます。
これはもう、利用しない手はありませんよね。

ただし、この割引を受けるためにはいくつかの条件があります。
「保有するすべての受信設備について契約を締結すること(一部だけ隠すのはNG)」や、「一括して支払いを行うこと」などです。
手続きは自動的には適用されず、必ず「申告」が必要ですので、カーリース導入時には忘れずにNHKの窓口で手続きを行いましょう。
適用条件や最新の割引額については、NHKの公式サイトで詳細を確認することをおすすめします。
(出典:NHK受信料の窓口『事業所割引について』)
| 契約形態 | 料金イメージ (年額) | 備考 |
|---|---|---|
| 1契約目 | 正規料金 (約14,000円) | 本社のテレビ等に適用されるのが一般的 |
| 2契約目以降 | 約半額 (約7,000円) | 社用車のカーナビ等、 2台目以降すべてに適用可能 |
チューナーレスなら受信契約は不要
割引制度も魅力的ですが、そもそもNHK受信料を「ゼロ」にできれば、それが最強のコスト削減策ですよね。
合法的に、かつ確実に支払いを不要にする唯一の方法は、「受信設備を持たない車両」を選ぶことです。
「でも、ナビがないと営業活動に支障が出るし…」
そんな悩みを解決してくれるのが、近年急速に普及している「ディスプレイオーディオ(DA)」という選択肢です。
ディスプレイオーディオとは、一見すると普通のカーナビのような画面が付いていますが、中身は全く別物です。
従来のカーナビのように地図データやテレビチューナーを内蔵しておらず、主にスマートフォンと接続(Apple CarPlayやAndroid Autoなど)して、スマホの地図アプリや音楽アプリを車載モニターに映し出すための機器です。
最大のポイントは、「テレビを受信する物理的な部品(チューナー)が入っていない」という点です。
チューナーがなければ、放送法上の「受信設備」には該当しません。
つまり、ディスプレイオーディオ搭載車であれば、何台導入しても、どれだけ長時間運転しても、NHKとの契約義務は一切発生しないのです。
さらに、ディスプレイオーディオは従来の高性能カーナビに比べて機器代金が圧倒的に安い(3万円〜5万円程度)ため、カーリースの月額料金そのものを下げる効果もあります。
地図データもスマホアプリを使うため常に最新で、更新手数料もかかりません。
コスト削減と利便性を両立できる、まさに現代のカーライフに最適なソリューションと言えるでしょう。
これからカーリースを契約する際は、見積もりの段階で「テレビ機能なし」「チューナーレス」のディスプレイオーディオを指定するのが、最も賢い選択です。

選び方の注意点
ただし、全てのディスプレイオーディオが安全というわけではありません。
一部の製品には、親切心で(?)ワンセグチューナーを内蔵してしまっているモデルも存在します。
これを選んでしまうと、元も子もありません。
契約や購入をする際には、必ずスペック表の「テレビ機能」「チューナー」の項目が「なし(非搭載)」になっていることを、指差し確認でチェックしてください。
勘定科目や消費税など経理処理の注意点
法人がNHK受信料を支払うことになった場合、経理担当者として頭を悩ませるのがその処理方法です。
「これって税金? それとも交際費?」と迷うこともあるでしょう。
正しく処理しないと、税務調査で指摘されるリスクもありますので、ここで整理しておきましょう。
まず勘定科目ですが、実務上は「通信費」として処理するのが最も一般的で妥当です。
NHK受信料は、テレビ放送という「情報」を受信するための対価であり、インターネット接続料や電話料金と同じ性質の費用だからです。
企業によっては、社員の休憩室にあるテレビなら「福利厚生費」、金額が少なければ「雑費」や「諸会費」として処理するケースもありますが、毎月発生する継続的なコストであることを考えると、通信費で管理するのが一番すっきりします。

次に消費税についてですが、NHK受信料には消費税(10%)が含まれています。
したがって、課税仕入れとして仕入税額控除の対象になります。
ここで重要になるのが、インボイス制度への対応です。
NHKも適格請求書発行事業者として登録されていますので、仕入税額控除を受けるためには、NHKが発行するインボイス(適格請求書)の要件を満たした書類の保存が必須となります。
口座振替の場合、通帳の記載だけではインボイスの要件を満たさないことがあるため、NHKから年1回送られてくる「お支払い予定額のお知らせ」などを確実に保管しておく必要があります。
カーリースの「リース料(賃借料)」とは支払先も勘定科目も異なりますので、混同しないように明確に区別して仕訳を行うようにしましょう。
リース満了時の解約手続きと証明書
カーリース契約には必ず「終わり」が来ます。
数年乗った愛車を返却し、契約が満了したとき、ホッとして忘れてしまいがちなのがNHKの解約手続きです。
ここにも大きな落とし穴があります。
「車をリース会社に返したんだから、NHKの契約も自動的に終わるだろう」というのは大きな間違いです。
NHK側は、あなたが車を返却した事実を知る由もありません。
こちらから解約の申告をしない限り、手元にない車の受信料が延々と引き落とされ続けることになってしまいます。
これは非常にもったいないですよね。
解約手続きをスムーズに進めるためには、NHKに対して「受信機(車)がなくなったこと」を証明する必要があります。
電話一本で「解約します」と言っても、簡単には認めてくれないことがあるからです。
この時、強力な証拠となるのが、リース会社が発行する「リース終了証明書」や「車両受領書」、あるいは「車両引揚報告書」といった書類です。
これらの書類には、いつ、どの車(車両番号)を返却したかが明記されています。
車を返却する際、リース会社の担当者に「NHKの解約に使いたいので、返却を証明する書類をください」と伝えておくとスムーズです。

書類が手元に届いたら、速やかにNHKふれあいセンター(または管轄の営業所)へ連絡し、解約の意思を伝えましょう。
解約届が送られてくるので、証明書のコピーを添付して返送すれば手続き完了です。
もし年払いなどで受信料を前払いしていた場合、解約月以降の分は月割りで精算して返金してもらえます。
「立つ鳥跡を濁さず」の精神で、最後の解約手続きまでしっかりと行うことが、無駄なコストを払わないための最後の砦となります。
カーリース導入時のNHK受信料対策まとめ
長くなりましたが、カーリースにおけるNHK受信料の取り扱いについて、かなり詳しく見てきました。
最後に、個人の方と法人の方、それぞれが取るべき対策をシンプルにまとめたいと思います。
個人の場合
- 自宅にテレビがあり契約済みなら、特に追加の手続きや費用は不要です。堂々とカーライフを楽しんでください。
- 自宅にテレビがない場合は、カーリース選びが重要です。「テレビ機能なし(ディスプレイオーディオ)」の車を選ぶのが、余計な出費を防ぐベストな選択肢です。
法人の場合
- 原則として全車分の契約が必要です。「バレない」は経営リスクと心得ましょう。
- 既存の車両については、「事業所割引」をフル活用してコストを半減させましょう。
- 新規導入車については、「チューナーレス(ディスプレイオーディオ)」を標準仕様として選定し、受信料コスト自体を根本からカットする構造改革をおすすめします。
カーリースは、所有から利用へとシフトする現代において、非常に合理的で便利なサービスです。
しかし、その便利さの裏には、こうした見えないコストや法的なルールが隠れています。
知っているか知らないかで、数年後の支払額に何十万円もの差がつくのがNHK受信料の世界です。
法的なルールを正しく理解し、ご自身の状況に合わせた最適な選択をすることで、賢く、そして安心してカーライフを楽しんでいただければと思います。
この記事が、あなたのカーリース選びの一助になれば幸いです。
※本記事の情報は執筆時点の一般的な目安であり、個別の契約状況や最新の法改正によって異なる場合があります。
最終的な判断はNHKの公式サイトをご確認いただくか、専門家にご相談ください。